量が質を作る【100案思考】
100案思考 橋口幸生
コピーライターの方の書かれたアイデアの出し方、選び方の本。
出し方の方は類書が結構ありそうだが、選び方まで言及しているのは珍しいのではないか。
まずとにかく数を出さなくては話にならないということ。どんな売れっ子やベテランでも1案だけだしてくるということはないそうだ。
ポイントとなるのが、「とにかく100案だせ」ということ。「いいアイデアを100」ではないということだ。100案だしたあとで、いいのを選べばいいのでアイデアを出す段階ではクオリティを気にする必要はないということだ。
本書では
という流れで話が進む。
特に特別なことをしたり、特別なものを用意する必要がないのは気が楽だろう。
それどころか、付箋禁止、画像禁止、紙とペンさえあればいいという手軽さ。
注意する点は、イラストや画像も禁止ということ。アイデアは文字で表現されたもの
で、画像を貼り付けて「こんな感じで」ということ。
100案だすのは大変と思われるが、数を出すためのちょっとしたテクニックも紹介されているので、それほど苦にはならないだろう。
読んでいて一番大変そうだと思ったのが、最後の選ぶ段階だ。必ずしも一番いいものが選べるとは限らない。特に100案だし終わった直後に選ぶのは絶対の禁止だ。
必ず寝かせてから、できれば人と相談しながら選ぶなどして客観的視点で選んでいく。
また、長所・短所で選んではいけない。どんないいアイデアにも短所はあるし、だめなアイデアでも長所はあるから。
そして、2つの案のいいとこどりは絶対に駄目だということ。アイデアを出す段階では組み合わせを見直すのもありだが、それだからこそ、99案はバッサリ捨てなくてはいけない。
もちろん、コピーライターだけではなく一般の人でも選択を迫られるようなとき、この方法は参考になるのではないだろうか?
|