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「鳥とは恐竜である」と聞いて驚かなくなった人へ

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写真やイラスト、注釈が下側についているのがうれしい

「鳥類学者、無謀にも恐竜を語る」という本を読みました。

 

「鳥類は恐竜から進化した」とか「恐竜は絶滅などしていない。今も生き残っている。鳥という姿で」とか初めて聞いたときは、半信半疑だったように思います。

 

 それが今ではすっかり受け入れています。鎌倉幕府成立が1192年から1185年になったことや冥王星が惑星から外れたことと同様な感じです。

 

だから、鳥類学者が恐竜について語るのはとくにおかしなことではありませんが「無謀にも」とちょっと腰が引けているタイトルがいいですね。

 

 「恐竜とはなにか」というところからはじまって、かなり詳しく恐竜に関する知識が網羅されているので、恐竜に興味の在る方には強くおすすめできると思います。

 

 そして、語り口がおもしろい。人間が眼球を動かせることができることの利点を述べたあとで「おかげで美人のお姉さんの姿を目の端にとらえ、1日幸せな気分で過ごせ、仕事も順調に進む」と書いてあったりする。

 

  また、本文の下側にスペースが空いており、そこに写真やイラスト、注釈があるのがありがたいですね。章末や巻末に注釈があっても、いちいち見に行ったりするのはめんどくさすぎますからね。

 

 その注釈も読むのが楽しみになるくらい面白い。「ときどき生物学的におかしい映画がある。良い映画だとなおさら映画に入り込めなくなる」とかは、とても良く共感できます。注釈というよりツッコミだったりあるあるネタだったりも多いです。

 

 それでいて、図鑑や学術書にありそうな精密なイラストもあったりして面白いやらためになるやら大変ありがたく感じました。

 

 恐竜の定義、特徴からはじまって、最後は恐竜が滅んだあとの「恐鳥」の時代に少し触れて終わっています。

 

文庫本でこれだけのボリュームがあってお得感もあり、恐竜似興味があれば面白く読めると思います。